大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和30(オ)705 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士一松定吉、同柏木薫の上告理由について。

国税徴収法一四条の規定は、滞納差押財産につき第三者の財産取戻請求手続を規

定したものであつて、収税官吏が差押処分又は公売処分をなすに際し公簿の記載を

離れて真実の所有者を探究すべき義務あることを規定した規定ではない。従つて、

同条の申出があつた場合に仮りに収税官吏がその申出人の所有権の主張を排斥した

ことが失当であるとしても、これをもつて直ちに差押処分又は公売処分そのものを

無効であるとすることはできない。そして、原判決は、第一審判決の説示するとこ

ろと同一の理由、すなわち、本件家屋は原告(控訴人、上告人)が昭和二〇年一二

三〇日買受けたものではあるが、これが登記がないから、登記の欠缺を主張するに

つき正当の利益を有する被告(被控訴人、被上告人)に対抗できないとの理由をも

つて、控訴人の本訴請求を排斥したものである。されば、所論第一点は、原判決に

影響を及ぼさない法令違背の主張に帰し、採るを得ない。

また、原判決の是認、引用した第一審判決の判示しているように、租税滞納処分

には一般私法上の債務名義による強制執行の場合と同様に民法一七七条の適用ある

ものと解するを相当とするから(なお、昭和三元年四月二四日第三小法廷判決民事

判例集一〇巻四号四一七頁以下参照)、同第二点の違憲の主張はその前提を欠き採

るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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